偽りの返事
「中国に行きたくありませんか」
と、突然、そんな妙な電話がかかってきていた。
電話の相手は、町内会の会計さんということになっていたけれど、前にも一度夢に出てきたことのある、あのNOVAのCMで鈴木さん役だった人だ。
なんでもこんどの町内会の慰安旅行先を中国にしようと計画しているということだった。
「行きたいです。」
別に、全然、さっぱり行きたくないのに、私は、そう返事をしていた。
費用はどうするんだろう?
町内会費だけでは、絶対足りないはずだ。
足りない分は、それぞれが実費で出さないといけないのかな?
だとしたら絶対無理だ。どうないしよう?
あれこれ考えていた。
「ほんとうに、ほんとうに、中国に行きたいですよね?」
電話の相手が、さらに念を押すように訊いてきた。
「はい、行きたいです。ほんとうに、ほんとうに、ほんとうに。」
と私は、また、すんなりそう答えてしまっていた。
あとまだいろいろ夢を見たようだけど、忘れてしまった。
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